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アルジャーノンに花束と愛を。

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2011/06/24

//校舎
セレブ高校と言われている輝星学園――。
広大な敷地面積を誇る名門学園であり、巨大な校舎は一流ホテルのようだ。
その校舎の一番端にある、教室で。
ヨロズ部の部員たちは今日も暇を持て余していた。

//ヨロズ部室内
[天道]良かったなぁ‥‥本当、良かったなぁ‥‥。

[夏目]なんでそんなチンケな映画で泣けるのか、理解ができん。
[夏目]戦隊モノは今どき小学生も見ていないと思うぞ。

[天道]何!? それは本当か! だからゆとりと呼ばれる世代なのか!

[夏目]それは違う。

[早乙女]‥‥‥‥。

喧々轟々とする部室内で、早乙女は小さく息を吐いた。

[早乙女](相変わらず、暇だな)

[五十嵐]ZZZ‥‥。

[早乙女](‥‥この騒がしい中、よく眠れるな)
[早乙女](だいたいこの部活に誘ったの五十嵐くんなのに、寝てばっかり)

[夏目]おい、早乙女。

[早乙女]は、はい。

[夏目]ほら、駅前にあるケーキ屋から新作を買って来たぞ。
[夏目]その‥‥食べたがっていただろう?

[早乙女]わぁ! ありがとうございます。
[早乙女]さっそくコーヒー淹れますね。

[夏目]ああ、頼む。

早乙女は席を立ち、部室の隅にある給湯場でコーヒーを入れる準備を始めた。
後ろから、夏目と天道の騒がしい声が聞こえてくる。

[早乙女](でもヨロズ部って皆優しいし、なにしろ居心地がいい)

[五十嵐]ねぇ~あの2人超うるさいんだけど。

[早乙女]い、五十嵐くん。おはよう。

[五十嵐]ってか、たまきちゃん。あの2人のためにコーヒー淹れているの? 

[早乙女]うん。五十嵐くんも飲む?

[五十嵐]飲むよ~。 僕が部活動しているのって、安眠場所確保と、
[五十嵐]たまきちゃんが淹れてくれたコーヒーのためだもん♪
[五十嵐]あ、あの2人の分にはコレ入れておいてね。

そう言って、五十嵐が渡したのはタバスコだった。

[早乙女]え! でも‥‥。

[五十嵐]いいから、いいから~。

ドバドバッ
五十嵐は躊躇なく、コーヒーにタバスコを入れる。

[五十嵐]おーい。夏目くんに天道。たまきちゃんが淹れてくれた、コーヒーだよ~。

[早乙女]い、五十嵐くん‥‥。

[天道]おお! 早乙女、サンキューな!

[夏目]すまない。

2人は早乙女が止める暇なく、タバスコ入りコーヒーに口を付けた。

[夏目]‥‥‥‥!?
[夏目]ゲホゴホッ‥‥! な、なんだこれは!

[五十嵐]てめぇらギャーギャーうるせぇんだよ。

[夏目]五十嵐! お前のせいか! そこに座れ!

[五十嵐]やだも~ん。

[天道]うむ! 美味い!

[早乙女]天道くん‥‥。

[天道]ん! 早乙女が淹れたコーヒーは美味いな!

一瞬静かになった部室が、またもや騒がしくなったところで、早乙女は本日2回目の息をついた。

[早乙女](ああ、今日も平和だなぁ‥‥)

と、タバスコが入っていないコーヒーを飲もうとしたそのとき――。
ガラッ!

[理事長]うるさい! 廊下まで声が響いているぞ!

[早乙女]り、理事長!?

予期せぬ来客が、ヨロズ部の扉を開けた。

[夏目]だいたい俺が辛いものが苦手なの知っているだろう!
[夏目]俺は砂糖がたくさん入っていないと、コーヒーは飲めないんだ!

[五十嵐]嫌がらせなんだから、苦手なものいれるに決まっているじゃん。

[天道]五十嵐の言う通りだな! 確かに!

[夏目]天道こそ、なんでこんなのを平然と飲めるんだ!?

[天道]オレは部長だからな!

[早乙女]み、皆さん‥‥。理事長が‥‥。

[理事長]静かにしろ!!!

理事長の大声に、ヨロズ部の動きがぴたりと止まった。

//暗転

[理事長]いいか。よく聞け。これはヨロズ部への依頼だ。
[理事長]今イギリスから息子が来るんだ。そこで、息子に学園内の案内を頼みたい。

[天道]お任せ下さい!

[夏目]待て、天道待て。
[夏目]息子さんですか? 確か理事長のお子さんは小学生でしたよね。
[夏目]しかも‥‥娘さんだったと思うのですが。

[早乙女](え? どういうこと?)

[理事長]ああ。夏目くんの言う通り、今の妻との子供は娘しかいない。
[理事長]今日来る息子の母親とは、私は結婚していない。

[早乙女]つまりそれって‥‥。

[五十嵐]隠し子ってやつ? ヒュー♪

[天道]な、な、なんと!

[理事長]聞こえは悪いが、その通りだ。
[理事長]だが、息子を愛している。将来的には、この学園を継いでもらうつもりだ。

[夏目]だが、今のところ、堂々と招待はできない。
[夏目]そこで我がヨロズ部にお目付け役を依頼した‥‥ってことですか。

[理事長]‥‥そんなところだ。

[五十嵐]へぇ♪ 将来のお金持ちには恩を売っておかないとね。

[夏目]そうだな。部費は多いに越したことはない。
[夏目]天道、この依頼どうする?

天道は勢いよくソファからジャンプをした。

[天道]よし! 我らにお任せ下さい! ヨロズ部出動だ!

バーンッ!
ヨロズ部一同、各々に決められたポーズをとった。

[早乙女](これ、本当にしなきゃダメなのかな‥‥)

//暗転

[アルヴァ]アルヴァです。はじめましてです。

理事長に連れてこられた金髪碧眼のアルヴァは小さく礼をした。

[早乙女](すごい美少年‥‥)

[理事長]アルヴァはイギリスとのハーフで、キミたちと同い年だ。

[天道]おお! いきなり親しみが湧いたぞ!

理事長は簡単な紹介だけをして、部室から出ていってしまった。

[五十嵐]なんか嫌な感じ。

[夏目]ていよく、お荷物を押しつけたかったんだろ。

[天道]夏目! 今のは失礼だぞ!

[早乙女]もう、ケンカはしないでください。
[早乙女]アルヴァさん、初めまして。早乙女たまきって言います。

早乙女は礼儀正しくアルヴァに向かって自己紹介をした。

[アルヴァ]オー! タマキ美人です! ワタシ一目ぼれしました。
[アルヴァ]ワタシはもうタマキのトリコになりました。

アルヴァはゆっくりとした動作で早乙女の手を取り、柔らかな唇で甲にキスをした。

[早乙女](ど、どうしよう‥‥)

早乙女はされるがまま、その行為を受け入れたが‥‥。
早乙女とアルヴァの間に天道が割り込んできた。

[天道]こ、こら! 早乙女に触っちゃダメだ!

[アルヴァ]なんでですか?

[天道]いいからダメったら、ダメなんだ!
[天道]‥‥ってなんでだ?

[夏目]俺に聞くな。

[早乙女](び、びっくりした‥‥)

[夏目]‥‥‥‥。
[夏目]学園内の案内だけなんだから、さっさと行くぞ。

夏目は少しむくれながら、部室から皆を追い出した。

//暗転
//廊下
ヨロズ部は図書室、美術室など芸術品が置いてある場所を中心に案内を始めた。

[アルヴァ]とてもキレイです。

[夏目]うちの学園は一流と言われているからな。
[夏目]もちろん一流の人間を世に出するためには、一流のものに慣れさせなければならない。

[アルヴァ]そうなんですか。

アルヴァは廊下に飾ってある絵画を、愛おしそうに撫でて息を吐いた。

[アルヴァ]ウツクシイものは大好きです。

[五十嵐]アルヴァちゃん今触っている絵画は、歴史的価値があるんだよ~。

[夏目]そうだ。だから気やすく触らない方がいい。

[天道]オレなんて、夏目から絵には近づくなって言われているぞ。
[天道]じゃあ、次はどこに行く?

と、その瞬間。
グゥ~
アルヴァの腹が鳴った。

[五十嵐]アルヴァちゃんはっずかし~♪

[アルヴァ]は、はずかしいです! タマキきかないでください!

[早乙女]う、うん。聞いてないよ。
[早乙女](本当は聞こえたけど‥‥)

[夏目]では、食堂に向かうか。
[夏目]昼時も過ぎたし、空いているだろう。

[天道]アルヴァ! うちの学園の食堂はスゴいんだぞ!
[天道]よし! ヨロズ部! 食堂へ出動!

天道はびしっとポーズを決めた。
‥‥が、周りはスタスタを食堂へ向かっていた。

[天道]むう!

こうして、天道ダバダバと走ってきてから‥‥一同は食堂に向かった。

//食堂

輝星学園の学食は校舎と離れ独立している。
学園内になければレストランと間違えられてもおかしくない学食のシステムは少し変わっていた。
分厚いメニューの中から食べたい物をピックアップしカスタマイズしていく。
メニューの種類は2000を超え、食堂の設備も世間に誇れるものだ。

[五十嵐]僕はサンドイッチ。具はどうしようかな~♪

[天道]オレはカツカレーとつくねと、きつねうどんだな。

[夏目]食べすぎだ。
[夏目]俺はデザートのショートケーキでいい。

部員がそれぞれ決めていく中、アルヴァは真剣に分厚いメニューを読んでいた。

[早乙女]アルヴァさんはどれにします?

[アルヴァ]タマキ、この『たこわさ』ってなんです?

[早乙女]え? たこわさなんてメニュー‥‥あった。

早乙女は自分でも信じられなかったが学食のメニューには最後のページに、
しっかりと『たこわさ』と記載されていた。

[夏目]た‥‥たこわさなんてものがあるのか? 居酒屋じゃないんだ。
[夏目]あんなマズイもの、信じられない‥‥。

[五十嵐]夏目くんは味覚がお子ちゃまだからね。

[早乙女]外国人の舌に、たこわさって合うのかな?

[五十嵐]これも経験でしょ♪ 
[五十嵐]すみませーん! たこわさください。

[職員]‥‥あ、すみません。品切れ中です。

五十嵐の注文に学食の職員が申し訳なさそうに答えた。

[五十嵐]ちぇ。つまんないの。

[天道]たこわさっていつも品切れなんだよな。

[早乙女]頼んだことあるんですか?

[天道]おう! ここのメニュー全制覇がオレの在学中の大いなる目標だからな!

[五十嵐]しょぼーい。

[天道]だが、このたこわさだけはどうしてもどーしても! 食べられない。
[天道]オレが在学中に仕入れをするのか‥‥。

[五十嵐]ないなら、メニューから削除すればいいのに。
[五十嵐]よくメニュー変えしているじゃん。

[夏目]確かに五十嵐の言う通りだな。

夏目は少し考えてから、あとを続けた。

[夏目]‥‥そう言えば噂だが、聞いたことがある。
[夏目]食堂のメニューには選ばれた者しか食べれない幻のメニューがある、とな。

[天道]何!? じゃあオレは選ばれていないと言うのか!

[五十嵐]選ばれると思ってんの? ゲスなのに。

[早乙女]天道くん、な、泣かないで!

[アルヴァ]ワタシどうしてもそのたこわさ食べたいです。

[早乙女]え、でも品切れって‥‥。

[五十嵐]確かにそう言われると食べたくなっちゃうよね。

[夏目]たこわさは食べられないが、どうして幻と呼ばれるのか気になるな。

[早乙女]でも幻のメニューがたこわさだとは限りませんよ?

[夏目]じゃあそれを調査するのがヨロズ部だろう。

[天道]完・全・復・活!
[天道]ヨロズ部! 幻のメニューについて調査開始だ!

突如復活をした天道の掛け声とともに‥‥ヨロズ部は幻のメニューについて調査を開始することとなった。

//暗転
//食堂

[五十嵐]で、どうするの?

[天道]どうするか考えるのは夏目の仕事だろっ。

[夏目]職員を抱き込むのが一番手っ取り早いが‥‥応じてくれないだろう。

[五十嵐]じゃあとりあえずやってみる?
[五十嵐]ここでウジウジしててもしょうがないし。

[早乙女]大丈夫なのかな?

[五十嵐]大丈夫、大丈夫♪
[五十嵐]こう見えても僕は、食堂のパートのおばちゃん内で開催された
[五十嵐]『旦那に内緒でキスしたい男子学生コンテスト』で1位だったんだから。

[天道]おお! 頼もしいぞ!

[早乙女](なんて狭いコンテストなの‥‥)

早乙女の一抹の不安をよそに、五十嵐は生徒立ち入り禁止の調理場にズカズカと入って行った。

//暗転

2分後――。
調理場から五十嵐は職員の女性とともに出てきた。

[五十嵐]入っていいってさ。

[アルヴァ]イガラシ、すばらしいです!

[早乙女]五十嵐くん、すごい‥‥!

[天道]さすがだ! おばちゃんもありがとう!

[職員]イエ、イインデス。ゴシュジンサマタメナラ、ドウゾナカヘ。

明らかに洗脳された瞳で職員が答えた。

[夏目]おい! 五十嵐! おばちゃんに何をした!

[五十嵐]強いて言うなら‥‥色気かな。

[夏目]明らかにカタコトだぞ! 色気でどうしてそうなる!

[天道]あんな短期間でおばちゃんを女にするとはさすがだな‥‥。
[天道]ふ‥‥敵に回すと恐ろしいが、味方にるすと頼もしいぜ。

[夏目]お前は黙ってろ!

[アルヴァ]イガラシ、ブラボー! ワタシもそのワザ覚えたいです!

[早乙女]‥‥‥‥。
[早乙女](‥‥夏目くん、ツッコミ大変そうだなぁ)

どこか遠くを見つめるような視線で、早乙女はその光景を見ていた。

//暗転
//理事長室

理事長は、小腹が空いてを持って来させようと、秘書へと内線で連絡をするところだった。
分厚いメニューをペラペラとめくり‥‥。

[理事長]もしもし、悪いが腹が減った。
[理事長]そうだな、たこわさを持ってきてくれないか。

//暗転
//調理場

調理場は普通では考えられない程広く、巨大な冷蔵庫は調理場の中に3つほどある。
その他にも常温の野菜室など食材に合わせて保存できるようになっていた。
広い調理場にある食材ををヨロズ部は手分けをして確認していた。

[天道]色んな種類の食材があるな。

[五十嵐]そりゃ、あのメニュー量だからね。
[五十嵐]さっきなんて、まぐろがまるごと1匹入ってんの見たよ。

[アルヴァ]マグロ! 見てみたいです。

[五十嵐]あー、なんか夏目くんがマグロの目が怖いって言っていたから、
[五十嵐]2人っきりの密室にしてあげたんだった。夏目くん探したら、見れるよ。

[早乙女](夏目くん、かわいそう‥‥)

[アルヴァ]ナツメかわいそうですー。
[アルヴァ]タマキ、ナツメさがしに行くです。

[早乙女]うん、いいよ。

[天道]ま、まて! 2人っきりはダメだ! オレもいく!

[五十嵐]じゃあ僕も♪

//暗転

[夏目]助けてくれ! たたたたたすけてくれ!

バンバンッ
巨大な冷凍庫の中から夏目の絶叫が聞こえる。
その冷凍庫を開けると、涙を浮かべた夏目が転がるように出てきた。

[早乙女]な、夏目くん。大丈夫ですか?

[夏目]あ、ああ。五十嵐のやつ、冗談にも度が過ぎる。

[五十嵐]ごめんごめん。夏目くんって、イジメたくなっちゃうんだよね。

[天道]からかいがいがあるよな。

[夏目]お前に言われたくない!

[早乙女](確かに‥‥)

[アルヴァ]わぁ! マグロです!

冷気が漂う部屋の中に、マグロが堂々とした態度で転がっていた。
アルヴァは興味深々に、冷凍庫の中に入りマグロを突っつく。

[早乙女]あ、アルヴァさん。あまり触っちゃダメですよ。

[夏目]よくそんな不気味な死体を触れるな。

[アルヴァ]アレ? これなんですか?

アルヴァが指を刺した先を見ると、段ボールサイズの箱がマグロの横にあった。
夏目以外の部員が、その箱を見に冷凍庫の中に入る。
金属で出来た箱の表面に、滲んだ文字が見えた。

[天道]箱に何か書いてあるな。滲んでいて読めない。

[五十嵐]天道はこういう細かい神経を使う作業苦手なんだから、どいてよ。

[天道]なにおう!

天道が目を凝らし、一生懸命文字を解読しようとする。
が、解読するのは五十嵐の方が早かった。

[五十嵐]これ‥‥『たこわさ』って書いてある!

[早乙女]え!

[天道]たこわさ、冷凍庫に保管してあったってことか!

[アルヴァ]ワオ! ハッケンしましたです!

[天道]早く開けてしまおう!

[夏目]ま、まて‥‥! 俺も見たい!

夏目が冷凍庫の外から叫ぶので‥‥
その箱を持ち出し、一同は待ち焦がれていた『たこわさ』と対面することとなる――。

//暗転
//理事長室

コンコンッ
空腹に耐えている理事長の部屋の扉が音をたてた。

[理事長]‥‥はいってくれ。
[理事長]まったく、遅いぞ。内線してから、どれ位の時間が経つと思っているんだ。

[天道]すみませんでした!

[五十嵐]失礼しまーす。

[夏目]失礼する。

入室してきたのは、ヨロズ部の部員たちだった。

[理事長]あ、ああ。アルヴァの案内が終わったのか?

[夏目]いや‥‥まだ途中ですが。

[五十嵐]アルヴァちゃんの案内よりも緊急指令が入ったので♪

早乙女とアルヴァがサービスワゴンと共に理事室に入室してきた。
サービスワゴンの上には、銀色のドームカバーに包まれた食事が乗っている。

[早乙女]理事長、失礼します。

[アルヴァ]ミンナで食べましょう。

[理事長]ど、どういうことだ?

[天道] たこわさ、お持ちしました!

天道の大きな声を皮切りに、アルヴァは銀色のドームカバーを外した。
そこには‥‥。
食欲をそそるような甘い香りが漂う、色とりどりのケーキが並べられていた。

[理事長]な、な、なんで‥‥お前たちがそれを持ってくるんだ?

[五十嵐]理事長、怖い顔して甘党だったんだね♪

[夏目]自己のイメージのために、ケーキのことをたこわさと称していたなんてな。
[夏目]その造語で、誰にもバレることなくケーキを食堂から持って来させていた。

[早乙女]運ぶ時は、このドームカバーが隠してくれますしね。

[天道]自分! 理事長がケーキにかける情熱に感動しました!

[理事長]‥‥‥‥。

理事長は強面を真っ赤にさせて、ヨロズ部の話を聞いていた。
するとアルヴァが丁寧な動作で小皿に移し、ケーキを理事長の机に置いた。

[アルヴァ]パパの意外な一面もイトオシイです。

[理事長]アルヴァ‥‥。

こうして――。
ヨロズ部とアルヴァは理事室で午後のひとときを楽しむこととなった。

[天道]うん! 美味いぞ!

[五十嵐]天道、こぼしている。

[アルヴァ]オカワリです!

[天道]オレもだ!

サービスワゴンに一番近い五十嵐が2人に配膳をしている傍らで、
夏目は幸せな顔をしてケーキを食べていた。

[早乙女]このケーキ、とっても美味しいです。
[早乙女]夏目くん、やっと食べれて良かったですね。

[夏目]あ、ああ。
[夏目]やはり甘いものはいいな。

[早乙女]はい。夏目くん、甘いの好きですもんね。
[早乙女]よくケーキ買って来てくれますし。

[夏目]そ、そうだな。
[夏目]早乙女と食べるケーキは最高に美味しくて好きだ。

[早乙女](え‥‥)

[天道]オ、オレも早乙女とご飯食べるの好きだぞ!

[早乙女]天道くん。

突然、天道が早乙女と夏目の間を割った。
そしてそのまま天道に覆いかぶさるようにアルヴァが上に乗る。

[アルヴァ]タマキ、今日はありがとうございました。
[アルヴァ]ワタシもヨロズクラブに入部して、タマキのそばにいたいです。

[早乙女]え、でもイギリスに帰るんじゃ‥‥。

[アルヴァ]パパに頼んで、リュウガクさせてもらいます。

[天道]な、なに! そんな不純な動機はダメだ!

[夏目]おい! お前らのせいで、ケーキが倒れたぞ!
[夏目]俺は倒さないように食べるのが好きなんだ!

[アルヴァ]オネガイします! ワタシ、タマキのそばにいさせてほしいです。

[早乙女]そんなお願いを私にされても‥‥。留学を許可するのは理事長だし。
[早乙女]入部を許可するのは天道くんだし‥‥。

[天道]そんな動機は許しません! 

[夏目]話を聞け! 
[夏目]だいたいお前らのせいで今日何度ケーキを食す機会を逃したと思っている!

[五十嵐]‥‥‥‥。
[五十嵐]悪い虫がつかないように、この部活にたまきちゃん誘ったのになぁ‥‥。

[早乙女]え? 五十嵐くんなんか言った?

[五十嵐]ううん。なんでもない。
[五十嵐]ところで、いまなら夏目くんのケーキにタバスコかけられそう♪

五十嵐は意地悪い笑みを浮かべて、輪の中へ入って行った。
こうして‥‥いつものように喧々轟々とした部屋内で、
早乙女はその様をクスクスと笑いながら見ていた。

[早乙女](やっぱり、ヨロズ部って楽しいな)
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